レイク・ヴィレッジ  フィッシング・ブリッジ
 レイク・ホテル  マッド・ヴォルケーノ
 イエローストーン・レイク  ヘイデン・ヴァレー
 ブリッジ・ベイ  

レイク・ヴィレッジ

レイク・ヴィレッジ Lake Village はウエスト・サム West Thumb からロワー・ループ Lower Loop をイエローストーン・レイク Yellowstone Lake に沿ってキャニオン・ヴィレッジ Canyon Village 方向へ北上し、フィッシング・ブリッジ Fishing Bridge の直前、湖から遠ざかりかけた所を右折した所にある。
ここにはレイク・ホテルを中心に、ジェネラル・ストア、郵便局そしてレイク・ロッジなどが点在するが、近くにフィッシング・ブリッジやブリッジ・ベイという施設があるためか、他のヴィレッジに比べ静寂なのが良い。 そのためバイソンなどの大型の動物が草を食むのもよく見られる。
レイク・ロッジは正式にはレイク・ロッジ・キャビンス Lake Lodge Cabins と言い、2001年度の営業期間は6月10日から9月16日、キャビンはパイオニアーの$50.00からウェスターンの$111.00の2種類ある。 バス付とあるがトイレとシャワー付きなのではないか。

Ionian Columns of the Lake Hotelレイク・ホテル

ザ・レイク・イエローストーン・ホテル The Lake Yellowstone Hotel はイエローストーン湖の北端の湖に面した風光明媚な場所に建つ瀟洒な高級ホテルである。 この場所はもともとインディアン、そしてその後は狩猟者などが会合の場所として使われていたということだ。
ここに1891年に開業したホテルはさして特徴のないありきたりのものであったが、オールド・フェイスフル・インの設計者ロバート・リーマーが1903年に行ったリノベーションにより、湖に面したホテル南面にイオニア風のコラム(右写真)が取り付けられ、見違えるように変身した。
その後もリーマーによる改装増築が進み、1929年までにダイニング・ルーム、車寄せ porte-cochere (下写真参照)、サン・ルーム等が加えられた。 黄色い外壁に、白いイオニア風のコラム、装飾バルコニーに広い車寄せと言った今日見られる外観とインテリアの魅力的な高級ホテルへと変わっていった。

The Lake Yellowstone Hotelしかしこのホテルも1970年ごろまでにはすっかり老朽化が進み、ナショナル・パーク・サービス、当時ホテルを運営していたティー・ダブリュ・リクレーショナル・サービシス TW Recreational Services などは1981年10年間にわたるリノヴェーション・プロジェクトに着手した。 そのリノベーションはこのホテル創業100年に当たる1991年に完成し、1920年代の輝きを取り戻した。 同年このホテルは米国の歴史的建造物として登録された。
朝のレイク・ヴューの部屋からそしてサン・ルームからはゆっくりと草を食むバイソンが湖をバックに見られ、夕刻にはサン・ルームからたえなる室内楽の楽の音が聞こえてくる。 このようなホテルにはゆったりと泊まりたいものだ。
Yellow Corridor
黄色と言うのは外壁のみでなく、廊下もご覧の通り(上写真左)である。 私たちの泊まったフロント・サイドのプレミアム・ルーム(上写真右)は広くないが、バス・タブと電話が備え付けられていた。 ちなみに部屋に電話を備えているホテルはイエローストーン国立公園内では珍しい。 オールド・フェイスフル・インでも室内には無かった。
2001年夏のこのホテルの営業期間は5月18日から10月8日までで、バスつきのホテル・ルームはスイートが$392.00、プレミアムが$150.00(バック・サイド)-$160.00(フロント・サイド)、そしてホテル本館裏のアネックスのハイ・レンジが$100.00。 バスつきのキャビン、フロンティアが$83.00であった。

The Yellowstone Lake in the morningイエローストーン・レイク

標高2,357m(7,737ft)に位置するイエローストーン・レイク Yellowstone Lake は352km2の広さを誇るイエローストン国立公園最大の湖だ。 日本最大の琵琶湖が671km2、第2位の霞ヶ浦が168km2であるのでその大きさがわかろうと言うものだ。 ちなみに米国では標高7,000ft以上の場所に位置する湖としては最大で、世界的にも有数の規模だと言う。 最大深度は122m、年間平均水温は5度。 水温が低いため水泳禁止となっていない場所でも水泳しないことが推奨されている。 ちなみにこの温度だと人間は20-30分で死亡すると言われる。 冬のイエローストーン・レイクは完全に凍結し、氷の厚さは数インチから2フィートとなる。
この湖は下あごが赤いことからカットスロート・トラウト Cutthroat Trout と呼ばれるニジマス科の魚でも知られている。 イエローストーン・レイクはメキシコ湾を通じて大西洋に注いでいるのだが、この太平洋起源のカットスロート・トラウトがここに生息すると言うことが、かつてこの湖が太平洋に連らなっていたことの証だとされている。

Marina at Bridge Bayブリッジ・ベイ

レイク・ヴィレッジから南にウエスト・サムのほうへほんの数キロ行った所に右へブリッジ・ベイ Bridge Bay のマリーナへ向かう道路がある。 ウエスト・サムのほうから来た場合にはブリッジ・ベイとイエローストーン・レイクをつなぐ水路を渡る橋のすぐ先の左へ曲がる道がそれだ。 マリーナにはたくさんの個人所有と思われるボートが係留されている。
Cruise Boatここではイエローストーン・レイク・シーニッククルーズ Yellowstone Lake Scenicruise、ガイディッド・フィッシング・トリップ Guided Fishing Trip やロー・ボートその他のウォーター・スポーツが楽しめる。 私たちは1時間のクルーズにトライした。 このクルーズは2001年の場合6月2日から9月16日の期間は09:30、11:00、13:30、15:00、16:30の5回、その他ピーク・シーズンには18:30や19:30出航のものもあり、料金は大人$9.00。 このずんぐりした遊覧船(左写真)にはガイドも乗り込んでおり、いろいろ説明をしてくれる。 ゆっくりとマリーナ・ベイを出た船はまず北に向かってレイク・ホテルの沖を通る。 湖上から見たホテルが下写真だ。 次いで南下してスチーブンソン島の東岸近くをゆっくり走り、この小島に生息する動物を観察する。 フィッシュ・ホーク fish hawk と呼ばれ、主に魚を食して生活しているオスプレー Osprey ミサゴ か白頭ワシ Bald Eagle の巣らしきものを見つけた人がいたが、私にはよくわからなかった。 島を離れると南に美しい山々が遠望される。 再びスチーブンソン島に向かい、今度は西岸沖を通ってブリッジ・ベイに戻る。
The Lake hotel from the Yellowstone Lake

フィシング・ブリッジ

ロワー・ループから別れ東口道路へ入るとすぐにイエローストーン・リバー Yellowstone Rever に架かる木橋にさしかかる。 この橋がフィッシング・ブリッジ Fishing Bridge で、最初のものは1902年に建造され、現在のものは1937年に作られた二代目だ。 この周辺はカットスロート・トラウトの産卵場所で、かつてはこの橋の上に釣り人たちがずらりと並び釣り糸をたれていた。 しかし、カットスロート・トラウトの減少により1973年以来この場所での釣りは禁止されている。 現在この場所は魚を鑑賞するのに絶好の場所となった。 特に5月下旬から7月初めが最高だと言う。
ここにはガス・ステーション、レストラン、ストアー、キャンプ場などがある。

マッド・ヴォルケーノ

フィッシング・ブリッジからロワー・ループを北へ約10km行った左側にマッド・ヴォルケーノ Mad Volcano の駐車場がある。 約1kmのループ状のトレイルはここが出発点だ。
このマッド・ヴォルケーノと言うのはこの一帯の総称であり、かつ駐車場近くのマッド・ポットの名称でもある。 イエローストンの初期探索期には1マイル離れた場所からでもその発する音が聞かれ、またその光景が恐れられていたそうだが、現在ではその活動は落ち着いている。 一方最近ではマッド・コールドロン Mad Caldron、やパーキング・ロット・プール Parking Lot Pool などの大きな泥の池があたかも沸騰しているようにごぼごぼ豪快にあわ立っている光景がすごい。 この泥土はかなりの高温になってはいるが、実は沸騰しているのではなく、二酸化炭素やその他の地底から上昇してくるガスが大きなバブルを作ってははじけているのだ。 マッド・ガイザー Mud Geyser はかつて数時間おきに泥水を50フィートほど吹き上げていたが、20世紀になってその噴出を停止した。 しかし1999年、今度はマッド・ポットとしてカムバックした。
マッド・ヴォルケーノからロワー・ループを少し北に行ったところの右側に駐車スペースがあり、そこからサルファー・コールドロン Sulphur Caldron を見下ろすことが出来る。 ここの噴出物はイエローストーンの中でも最も酸性度の高いもののひとつとされ、硫黄の匂いが鼻につく。

ヘイデン・ヴァレー

サルファー・コールドロンの北からキャニオン・ヴィレッジ近くまでのロワー・ループとその東側のイエローストーン・リバーの両側に広がるのがヘイデン・バレー Hayden Valley だ。 この一帯の谷底は水はけが悪く、湿地となっている。 ここにはセイジブラシ Sagebrush (後方の白っぽい緑色の植物。 背丈は30cmから1.5m。 アメリカ原住民が各種の病に用いたハーブだ。)が一面を覆っており、これはプロングホーン Pronghorn という鹿や、ミュール・ディアー=ミュール鹿 Mule Deer の重要な食物である。
この一帯は世界有数の野生動物の宝庫と言われ、バイソンの他、グリズリー・ベアー Grizzly Bear、エルク Elk、ムース Moose、プロングホーン、ミュール・ディアーの他、川沿いの湿地帯には魚を餌とする白頭ワシ Bald Eagle やオスプレイその他の鳥類も多数見られる。
Bisons at Hayden Valleyイエローストーン・リバーには流れの中に入って釣りをする人々が多数見られる。 この一帯はどこを取っても絵になる美しさで、イエローストーン国立公園観光のハイライトのひとつである。